エソラことだま。 -臆病風のブログ-

どうせMr.childrenを書いてしまうんだ

『重力と呼吸』で彼らは何を叫んだのか? ーMr.Childrenニューアルバム全曲解剖ー (プロローグ)

 

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平成30年10月3日ー

おそらく平成最後の作品となるであろう、Mr.Childrenのニューアルバム『重力と呼吸』がリリースされた。

前作『REFRECTION』が全方位型「老若男女いらっしゃい!」のファミレスアルバムなら、本作はロックンロール一直線、シェフのこだわり一品アルバムだ。

しかも収録曲はわずか10曲でシングル曲『ヒカリノアトリエ』が未収録。現在では定番ともいえるMV収録のDVDのような特典もない。セールスよりもこだわりと完成度を重視して勝負。そんなメンバーの想いが容易に想像できる。

 

「『重力と呼吸』はミスチル最高傑作のアルバムだ」
といった評価のしかたはあまり好きではない。

僕たちは新しい音楽に触れた時、脳ではなく本能というか、身体のずっと奥の部分でそれを吸収しているように思える。温かいスープを飲んだ時、実際は口と食道と胃にしか入っていないのに身体全体に染み入ってホッとする、あの感じだ。

僕は音楽シロートだから技術的なことや専門的なことはわからない。だから音楽を聴いた感想はその時に自分の身体に染み込んできた感覚に委ねるしかない。そこにメンバーの想いとか傑作かどうかとかは実は関係ないのだ。

だって、おしゃれなイタ飯屋のパスタよりファミレスのパスタが美味く感じる時って、正直あるじゃん。

要は「好き」か「嫌いか」だ。メンバーは毎作を「最高傑作」としてアルバムを作り、世に出してくれるのだから、聴く側の僕は自分に正直に、好きかそうでないかを感じたい。

 

前置きが長くなったが、結論を言おう。

『重力と呼吸』は大好きなアルバムだ。

 

想像するに、ミスチルの曲を好む人って、ファミレスのパスタが好きな人が多いんだと思う(これは例えです)。本作のようなイタ飯屋のパスタアルバムがファンに受け入れらるか、メンバーには未知数だったはず。

僕も最初に聴いた時、なんだか裏切られたような気分がしたのは確かだ。でもその裏切られ方がたまらない。僕がずっと好きで、ずっと追いかけてきたMr.childrenはいまだに変化と進化を絶えず、僕たちを裏切り続ける。だから僕はミスチルを聴き続けるんだろう。

 

そんな僕の本能をビリビリと刺激した『重力と呼吸』。本作で彼らは何を叫んだのだろうか。次回エントリーからの全曲レビューでその答えを探したい。

 

<収録曲>
01. Your Song
02. 海にて、心は裸になりたがる
03. SINGLES
04. here comes my love
05. 箱庭
06. addiction
07. day by day(愛犬クルの物語)
08. 秋がくれた切符
09. himawari
10. 皮膚呼吸